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インナーブランディングとは?目的・効果・成功のポイントを徹底解説

近年、多くの企業で「インナーブランディング」という言葉を耳にするようになりました。

社員のエンゲージメント向上や理念の浸透を目的として、さまざまな施策を展開する企業が増えています。

しかし、その一方で、「そもそもインナーブランディングとは何か」「ブランディングとの違いは?」「どのように進めれば成功するのか」といった基本的な部分が曖昧なまま進んでしまい、形だけの取り組みになっているケースも少なくありません。

この記事では、インナーブランディングの定義から目的・効果、そして成功のポイントまでをわかりやすく整理します。自社のブランド価値を内側から強くしたい方は、ぜひ参考にしてください。

インナーブランディングとは

インナーブランディングとは「企業が掲げる理念やブランド価値を社内に浸透させ、社員一人ひとりが自社ブランドを体現できる状態をつくる取り組み」を指します。単に企業理念を伝えるのではなく、社員がその理念を自分ごととして理解し、日々の行動に落とし込めるようにすることが目的です。

この状態が実現すると、社員は自社に誇りと一体感を持ち、自然とブランドメッセージを社外にも発信できるようになります。

ここで、今インナーブランディングが注目されている背景にも触れておきましょう。理由の一つとして、働き方や価値観の多様化があります。リモートワークの定着によって、社員同士のコミュニケーション機会が減少し、帰属意識やエンゲージメントが低下したという声も多く聞かれます。

また、転職が一般化し、企業への長期的な忠誠心よりも共感ややりがいを重視する傾向が強まる中、「なぜこの会社で働くのか」を明確にできる環境づくりが求められています。

こうした時代背景の中で、企業の“内側”にブランドを根付かせる「インナーブランディング」の重要性が高まっています。

インナーブランディングの効果

インナーブランディングは、単なる理念浸透活動ではありません。企業の競争力を高め、持続的な成長を支える「戦略的な仕組み」でもあります。ここでは主な効果を見ていきましょう。

■社員のモチベーションと主体性が高まる

ブランドや理念を「自分の言葉で語れる」ようになった社員は、仕事への誇りを持ち、主体的に行動するようになります。


スターバックスでは「この一杯から広がる、心かよわせる瞬間、それぞれのコミュニティとともにー人と人のつながりが生みだす無限の可能性を信じ、育みます」というミッションを全員が理解し、店舗スタッフが自発的に顧客体験をデザインしています。これはまさに、インナーブランディングが生み出す行動変容の好例です。

■ブランドメッセージの一貫性が高まる

外部向けのブランド発信は、社内での理解がなければ空回りしてしまいます。社員がブランドの本質を理解していれば、顧客対応や営業活動、採用広報などあらゆる接点で一貫したメッセージを届けられます。その結果として、顧客からの信頼とブランド価値が向上します。

■社内コミュニケーションが活性化し、心理的安全性が向上

理念を共有することで、社員間に共通言語が生まれます。「自社が何を大切にしているのか」を共有している組織では、議論や挑戦がしやすくなり、心理的安全性が高まります。

これにより、チームの連携やイノベーション創出にも良い影響を与えます。

■強い企業文化が形成される

インナーブランディングは、企業文化を形づくる土台でもあります。不確実な時代においても、「私たちの会社はこういう会社だ」という共通の価値観がある組織は、変化に強く、一体感を保てます。

インナーブランディング成功のポイント

実際にインナーブランディングを成功させるためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。ここでは、効果的な5つのポイントを紹介します。

1.経営トップ層のコミットメント

最も重要なのは、経営トップ層の本気度です。経営トップ層自らが理念を語り、日常の言動で体現する姿勢を見せることで、社員の意識が変わります。


「理念は経営トップ層の言葉ではなく、自分たちの行動指針だ」と社員が感じるためには、経営トップ層からの継続的な発信が不可欠です。


損害保険ジャパンのコールセンター事業を担う「SOMPOコミュニケーションズ株式会社」では、コロナ禍で社長自らが動画メッセージを配信。会社のミッション・ビジョン・バリュー・パーパスを自らの言葉で語っています。

2.継続的な発信と仕組み化

インナーブランディングは、一度の研修やイベントで終わるものではありません。定期的な情報共有会、社内報、表彰制度などを通じて、理念やブランドを日常の中で感じる仕組みをつくることが大切です。


農業機械メーカーのヤンマーでは、「HANASAKA」という価値観を社員一人ひとりに浸透させる活動を国内外で継続的に展開。ワークショップ・アプリ・書籍・コーポレートサイトなど多様な手段で運用し、今後も継続する意思を示しています。

3.「伝える」から「感じる」へ

人は、言葉だけでは動きません。理念を浸透させるには、体験を通じて「感じる」機会を設計することが効果的です。


ブランドのストーリーをマンガ化したり、体験型ワークショップや社内イベントを通じて「自社らしさ」を体感できる仕掛けをつくることで、社員の共感を引き出せます。


自動車リサイクル業のナプロアースは創業から東日本大震災の被災体験・再建の歩みをマンガ化し、公開することで、創業者・経営者の思いや理念をストーリーとビジュアルで理解できるようにしています。

ナプロアースの事例も掲載!社史・開発秘話マンガに関するブログはこちら

4.従業員参加型にする

一方的に理念を押し付けるのではなく、社員自身が考え、言語化するプロセスを取り入れましょう。アンケートや座談会、ワークショップなどを通じて、社員が「自分はブランドの担い手である」と実感できる環境を整えることが大切です。従業員が主体的に関わることで、理念は“浸透”ではなく“共創”へと進化します。

三井化学では有志社員のグループによる「そざいの魅力ラボ」が2015年より運営されています。このプロジェクトでは、素材の魅力を幅広く伝えるために、イベント出展や新製品の開発、情報発信を行っています。

5.効果測定と改善を繰り返す

インナーブランディングも、他の経営施策と同様にPDCAが重要です。定期的にエンゲージメントスコアや社内アンケートを実施し、理念の理解度や行動変容を定量的に把握しましょう。その結果をもとに、施策を改善し続けることで、ブランドが企業文化として根付きます。

人材サービス会社のパーソルでは、グループ横断で毎年エンゲージメントサーベイ(社員意識調査)を実施し、結果を基にアクションプランを決定するというPDCAサイクルを行っています。

ブランドは「外」よりも「内」から育つ

インナーブランディングは、社員を単なる「働き手」から「ブランドの担い手」へと変える力を持っています。企業のブランド力を高めるうえで、外部への広告やPRと同じくらい、社内への浸透が重要です。


成功の鍵は「共感」と「継続」。経営層から若手社員までが理念に共感し、それを日々の業務の中で体現できるようになることで、企業ブランドは内側から輝きを増していきます。


時代の変化が激しい今こそ、自社らしい方法でインナーブランディングに取り組み、「ブランドを語る社員」から「ブランドを体現する社員」へ、その変化こそが、企業の持続的成長を支える力になります。

トレンド・プロでは、マンガを起点として企業のインナーブランディングをご支援しています。マンガのような親しみやすく・視覚的にもわかりやすいビジュアルコンテンツを活用することで、理念をより深く、より感情に訴える形で伝え、組織全体のベクトルを揃えることができます。
もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ!

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