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ファンマーケティング×SNS戦略|“共感”を拡げる企業アカウント運用術

1. SNS時代におけるファンマーケティングの重要性

ブランドが価値を伝える手段は、広告中心の一方向コミュニケーションから、SNSを起点とした双方向の関係構築へと大きく転換しています。消費者は企業が発信する広告よりも、日常で触れる口コミやフォロワーのリアルな声、SNS上での共感の連鎖を優先してブランドを判断するようになりました。

今やSNSは単なる情報発信の場ではなく「企業とファンの関係性そのもの」を育てる重要な基盤へと進化しています。製品の機能性や価格だけでは差別化が難しい時代において、ファンマーケティングを軸としたSNS運用は、ブランドの世界観を理解し、共感し、応援してくれる熱量の高い支持者を育てる力を持っています。

今回は、ファンマーケティングの視点で企業アカウントを設計する方法から、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の活用、コミュニティ形成、そして成功事例まで、実践的なポイントを解説します。

2.ファンマーケティング視点でのSNSアカウント設計

企業アカウントを「ファンを増やす資産」として育てるためには、従来のKPIであるフォロワー数やインプレッションだけでは不十分です。ファンマーケティングの観点では、次の3つが鍵となります。

2-1. 目的の明確化:関係構築をKPIにする

ファンマーケティングのKPIは、主に以下の3項目を指標とします。

  • ファンとの継続的な対話

  • コメントやメンションの増加

  • UGC投稿の量

これらに共通するのは「関係性の深さ」を示す指標であるという点です。SNS運用では、短期的なバズではなく、長期的な関係づくりを中心に据えた設計が求められます。

2-2. ターゲットの理解を深める

ターゲット、つまりファンを理解し、「どの価値観に共感し、どの話題に興味を示し、なぜそのブランドを選ぶのか」というファンの生活文脈まで踏み込んで設計することで、投稿内容やトーンが定まります。これにより、「このブランドは分かってくれている」「私の生活や悩みに寄り添ってくれる」という心理的距離の近さを生み、ファンの継続的な支持につながります。

2-3. 発信と対話のバランスを取る

発信のみのアカウントは、どうしても一方通行になり、ユーザーの能動的な参加を呼び込みにくくなります。質問投稿、アンケート、コメントへの丁寧な返信などを通じて、双方向のコミュニケーションを増やすことで、アカウントの温度感が高まります。

2-4. コンテンツ設計の工夫

制作の裏側、担当者の想い、開発背景、ファン参加型キャンペーンなど、企業の「人間味」が伝わる投稿は共感を得やすくなります。SNSは物語が共有される場であり、ブランドの魅力を適切に伝えるストーリーテリングが重要です。

3.「発信」ではなく「対話」を重視した運用のポイント

SNS運用で多くの企業が陥る課題は、「投稿しても反応が伸びない」というものです。これは往々にして、一方的な情報発信に偏っていることが原因です。


ファンマーケティングにおいて最も重要なのは「対話」です。それでは、企業のSNSはファンとどのように対話をすべきでしょうか?

3-1.コメントやDMへの丁寧な返信

ユーザーは、企業に返信されることで「自分の声が届いた」という承認を感じ、ブランドへの好意が高まります。

3-2.投稿への問いかけで共創を促す

商品紹介の際に「あなたならどう使いますか?」「AとB、どちらが好きかコメントで教えてください」などと質問を添えるだけで、ユーザーの参加意欲は高まります。単なる投稿が、会話のきっかけに変わります。

3-3.ファン投稿のリポストで承認体験を提供

UGCをリポストする行為は、「あなたの声がブランドの価値になる」という強いサインとなります。

3-4.ハッシュタグキャンペーンで共創意識を高める

企業側がハッシュタグを用意して「このハッシュタグと共に商品を使っている写真を投稿してください」と促すキャンペーンは、SNSでよく見られるものです。これは単なる露出拡大にとどまらず、「この商品のこんな使い方がある」「使うことでこんな体験が生まれる」といった、利用シーンを伴う肯定的なイメージを他のユーザーに伝える効果もあります。

4.UGCやコミュニティを育てる方法

ブランドの価値を最も正確に、かつ熱量高く伝えてくれるのは「ファンの言葉」です。そしてここから生まれるのがUGCです。UGCとはUser Generated Contentの略で、企業ではなく一般のユーザーが作成・発信したコンテンツを指します。


UGCはファンマーケティングにおける核心的な要素です。ユーザーの投稿が増えることで、コミュニティの活性化とブランドへの信頼が自然に醸成されます。

4-1. UGCを積極的に活用する

  • 商品の写真

  • 使用レビュー

  • 体験談

など、ユーザーが自発的に発信した情報には高い信頼性があります。公式アカウントが紹介することで、投稿したファンの満足度が高まり、新たなUGCの創出を促す循環が生まれます。

4-2. コミュニティ形成のオンライン・オフライン施策

コミュニティを形成するためには、オンライン・オフライン双方で施策を行うことが重要です。


オンラインでは、通常の投稿やキャンペーンに加えて、専用コミュニティや限定グループの運営が有効です。さらに、イベント告知からレポートまで一貫して情報を共有することで、参加者の一体感を高められます。


オフラインではファンミーティングや製品体験会などのイベントを開催し、ファンとの交流や製品の使い方・新製品の体験などの特別な体験の機会を提供することで、ファンに「私はこのコミュニティに属している」という意識を感じてもらいやすくなります。

4-3. 成功のポイント

UGCやコミュニティを育てるために重要なことは以下の3点です。

  • ファンの声を尊重して反映する

  • ファン同士が交流できる仕組みを作る

  • 継続的に参加したくなるテーマ・企画を用意する


SNSアカウントを「共感が広がるプラットフォーム」へと育てるためには、企業が主役になるのではなく、「ファンと共にブランドをつくる姿勢」が欠かせません。

5.成功企業のSNS運用事例

チロルチョコ

SNS×ファンマーケティング事例1

チロルチョコは2022年・2023年にファンイベント「チロルフェス」を開催しました。期間中はプレゼント企画だけでなく、ワークショップやゲーム、ライブなど多彩な体験が用意され、多くのファンが参加しました。2024年にはVtuberとコラボした参加型イベント、2025年にはバレンタイン関連イベントなど、さらに多彩なイベントを開催し続けています。


SNSなどオンラインではイベント・商品告知だけでなく、「チロルMTG」と呼ばれるオンラインミーティングを開催し、参加型イベントや意見のヒアリングなどを実施しています。

mineo(マイネオ)

SNS×ファンマーケティング事例2

格安スマホ・格安SIMのmineoはファンコミュニティサイト「マイネ王」を運営しています。このサイトでは、スマホの使い方のQ&Aや製品に対するアイデアを書き込む掲示板などが運営され、ユーザー同士の活発なやり取りが生まれています。さらに、先輩ユーザーが「サポートアンバサダー」として初心者の質問や相談に個別チャットで応えるという仕組みもあります。


SNSでは社員やマスコットキャラクターが登場し、同社に親しみを感じられるような投稿がされています。

ネスレ日本

SNS×ファンマーケティング事例3

ネスレ日本は、職場などに設置するコーヒーマシーンを広めるファンを「ネスカフェアンバサダー」と呼んでいます。アンバサダーはミーティング、イベントなどに参加でき、製品開発のアイデアを共有するなどしています。

またネスレ日本は早い段階からSNS活用を重視しており、顧客の声を収集するうえで欠かせないツールとして位置づけています。

6.まとめ

SNSは、単なる情報発信のツールではなく、ブランドの価値を深め、ファンと共に育てていくための「共感プラットフォーム」です。

  • ストーリーある投稿で共感を生む

  • 対話を通して関係性を育てる

  • UGCやコミュニティで共創を促す

  • 数値より「熱量」と「会話の質」を重視する

こうした積み重ねにより、長期的なブランド価値が高まり、ファンから「これからも応援したい」と思われる企業へと成長できます。

ファンマーケティングの視点を取り入れたSNS運用は、共感を軸にブランドを成長させるうえで、今や欠かせない戦略となっています。

トレンド・プロでは、マンガを起点として企業のファンマーケティングをご支援しています。マンガやイラストといったビジュアルコンテンツを活用することで、ユニークなコンテンツになることはもちろんのこと、より感情に訴える形で伝えることができるようになり、顧客のファン化が期待できます。

もしご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ!

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