竹中工務店が実践するDE&I促進のためのマンガ施策

株式会社竹中工務店

今回で3度目の社内浸透マンガをご制作された竹中工務店様にお話しを伺いました。今回はDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の浸透のため、通常業務の中に潜むアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)をマンガで紹介しています。全9話を定期的にイントラネットで公開しました。社長から直々に「マンガを読んで」と全社に投げかけられるほど、社内で注目されている施策について、狙いや工夫点をお伺いしました。

  マンガを導入される前の課題はどのようなものだったのでしょうか? 

社内周知において、活字だとどうしても社員が読む気になれない、という課題がありました。その点、マンガはとっつきやすい存在です。弊社では、これまで人事制度の浸透や女性活躍推進などの施策でマンガを導入しています。「マンガを作りたい時はどこに頼めばいいの?」と聞かれるようになったくらい、社内周知=マンガという認識になりました。

  動画などのその他コンテンツではなくマンガを選択したきっかけは何でしょうか

これまでの弊社の雰囲気では、マンガという選択肢は考えられませんでした。そのため、3つのマンガ施策は私たちにとって画期的な取り組みでした。入りやすさはもちろん、「うちの会社でもこんなふうに発信していいんだ!」「社長を出しちゃうの?しかもマンガで!?」という驚きも提供したくてマンガを選択しました。

 今回のテーマであるDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)を促進していくにあたり、社外有識者をご招待し、講演や社長との対談を通しての周知もしました。

しかし、アンコンシャスバイアスについてはマンガで“あるある”の事例を伝えた方が伝わりやすいと思いました。前回施策(女性活躍推進編)の反響から、興味を持ってマンガを見てくれる人たちがいることもわかっていたので、DE&I推進についてもマンガありきで考えていましたね。

 とはいえ、前回施策が女性社員とその上司向けだったことに対し、DE&I推進活動は全社員に向けてのもの。どうしたらこのマンガを8,000人の社員に読んでもらえるか、という点についてはよく考える必要がありました。

 そんな折に行われた社員総会において、重要な経営課題の一つとしてDE&I推進についても挙げられ、社長から直々に「マンガを読んで」というお話がありました。ボトムアップで始めた施策ではありましたが、トップダウンでの周知も行われたことで、よりマンガの浸透が進みました。

 

マンガ活用で実現したかったことや、ターゲット層、こだわったポイントは何でしょうか?読者に求める行動変容などもございましたらお聞かせください。

ターゲットとしては、昔ながらの考え方を持つシニア世代の方々です。アンコンシャスバイアスに気づくきっかけになればと考えました。結果的には多くの50~60代の社員が読んでくださいましたね。

一方、作業所で働く若手社員は、時間的な制約から社内イントラで配信したマンガを読めない、という課題があることがわかりました。今後は冊子配布による周知も検討しています。

また、今回のマンガは中堅層の女性社員もターゲットです。彼女たちは、一般職から総合職への転向など、女性活躍を軸とした人事制度の変遷に関わってきた世代。だからこそキャリアにおける迷いもたくさん抱えてこられた方々です。

そんな人たちにDE&I推進のメッセージをマンガという形で伝え、気づきを得ることで行動変容につなげていってほしい。そして、その姿を若手社員が見ることで当事者意識を持ち、次に続くという流れをつくりたいと考えました。

他コンテンツよりも注目度が高く、コメントも多数!マンガコンテンツの社内からの反響

ーマンガの制作過程はいかがでしたでしょうか?

弊社の場合は、会話を録画して、トレンド・プロさんにシナリオに起こしていただく、という特別な作り方をしています。会社のバックボーンへの理解がないと話の方向性が変わってしまう懸念があると思うのですが、意図をきちんと読み取り、弊社らしくまとめてくれたので非常に感謝しています。こちらの考えに寄り添い、柔軟に対応いただけましたね。

また、何気ない雑談の中からさまざまなアイデアを出してくださいました。第5話で「ストーリーの終盤に読者への問いかけを入れる」案も、そんなところから生まれました。いまや社内でもDE&Iといえばマンガ、という認識になっています。それほど浸透したのは、やはりマンガだからこそなのではないでしょうか。

ーマンガの反響はいかがでしたか?

1話は、約3,600人もの社員が閲覧していました。ありがたいことに、他のコンテンツよりも多く見ていただいています。

また、毎号「感想はこちらに」という欄を設けているのですが、定期的にコメントをくれる人、気になることがあったときにコメントをくれる人が想像より多かったですね。もっと無関心かと思っていたので()、嬉しい反響でした。

ちなみに第8話では、いただいたコメントを伝えるストーリーにしました。このような形で社員の考えを反映させることで、よりDE&Iを自分事ととらえてもらえれば、と思います。

株式会社竹中工務店

経営理念「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」のもと、ランドマークとなる数多くの建築物を手掛けてきた総合建設会社。時代の流れとともに、「作品」を通じた活動は国内外へ、また建築の枠を超えて、豊かで安心な「まちづくり」へと広がっている。環境・エネルギー分野、DXにおいても先進的な技術の開発、取り組みを積極的に推進している。

 

お問い合わせ

ご不明な点はお気軽に お問い合わせください

マンガで解説!サービス資料

利用企業様の事例をご紹介。 マンガ制作活用のヒントが見つかります