-今回、海外展開製品の差別化コンテンツとして、なぜマンガを選ばれたのでしょうか?
カシオ計算機様: 事前にタイやパキスタンに対して行ったユーザーアンケート調査で、「どんな特典がついてくるなら購入する気になるか?」という質問に対し、「マンガ・ゲーム」という回答が最も多く票を集めたためです。また、日本らしいコンテンツといえばマンガやアニメであり、現地での認知度も高かったため、マンガを制作することに決めました。
世界的に学生の数学嫌いは共通しており、「カシオ計算機と付き合えば、嫌いな数学が少しでも楽しくなる」と思っていただけるようなコンテンツにしたかったため、学習のモチベーションが上がるようなストーリー作りを意識しました。
またマンガと世界観を共有したミニゲームも制作し、マンガのオチを読みたければ、ミニゲームにゲームIDを入力し、一定のスコアを達成させる、といった工夫もしました。ゲームIDは製品を購入した方のみが入手できるものです。
-マンガコンテンツ使用前は、どのような課題感があったのでしょうか
カシオ計算機様:一国の教育を根本的に変えるにはカリキュラム自体を変える必要があり、現地教育省との協業や現地教師のサポートをする必要があります。それは何年もかけて取り組むもので、学生よりも先生向けの施策を主体的に行ってきました。
ところが調査を進めると、試験では使えないし、授業でも先生は使わないのに、自らの意思で関数電卓を購入している層がいることが分かりました。貸し借りで済ませている層もあり、一人一台持つことのメリットを直接訴求し、カシオ計算機のファンになってもらうことを目的にプロモーションを実施しました。
また偽物が出回っている場合もあり、「本物」を購入してくれた人だけが得られるプレミアムコンテンツとしての狙いもありました。
-マンガ制作にあたって、何をポイントに業者を選定しましたか?
カシオ計算機様:大企業や官公庁の実績が多数あることと、マンガ制作の老舗で歴史があるため安心してマンガ制作を任せられるという点でトレンド・プロを選びました。
-打ち合わせでのスタッフの対応はいかがでしたか
カシオ計算機様: 極めて丁寧なサポートを得られました。初めてで右も左も分からないマンガ制作だったため、「こんなマンガを作りたい」という漠然としたイメージをお伝えすることから始まりましたが、具体的な表現を提案していただけことで、マンガの活用イメージを膨らませることができました。また無理を聞いていただけたり、と非常に満足しています。1800人の登録マンガ家の中から想像に近い、今風の絵柄の作家さんを紹介いただけたのもありがたかったです。
-マンガ、ゲームの展開後の反響をお聞かせください
カシオ計算機様:たとえばフィリピンでは、ランディングページのPV数が20万以上、Facebook広告には10万以上のいいね!が付くなど、たくさんの反響をいただきました。その他にも、現地インフルエンサーを起用した動画は660万回再生数(2020年9月時点)以上、マンガ展開後の任意アンケートでは94%以上の人が「続きを読みたい」と回答してくれました。「数学は嫌いだけど、マンガは好きだから購入する」というコメントも頂くなど、反響は想像以上だったと言っていいかと思います。
今まで教育的な支援を中心に行ってきましたが、マンガコンテンツも展開している、というギャップが話題を呼んだ要因の一つではないでしょうか。実際に「まさか関数電卓の漫画が存在するとは!」といった驚きのコメントも見かけました。
-御社内でのマンガへの評価を聞かせて下さい。
カシオ計算機様:社内の若手メンバーにマンガを見てもらったところ、「非常に見やすい」「わかりやすい」と好評でした。
-次回もまた広告マンガを発注したいと思いますか
カシオ計算機様:コロナの影響で各国の学校事情が不安定になっていますが、続編制作など是非やりたいと思っています。海外向けに「日本企業らしさ」をアピールするのに最適なコンテンツだと考えています。