宮城県蔵王町
今回は、町の歴史や偉人を後世に伝えるための100p超のマンガを制作した蔵王町様。近隣の自治体からも「マンガを作ってみたい」と問い合わせもあったこのマンガについて、地方自治体のマンガ利用という面から様々なことをお伺いしました。
-マンガを導入される前の課題はどのようなものだったのでしょうか?
マンガを制作するために必要なノウハウが全くなかったため、何から準備するのか手探り状態でした。資料の収集や当時の関係者の話を聞くことができたことは、大きな成果でした。また、漫画家、シナリオライターの選定など、代理店の方とも相談させていただき、納得いくコンテンツとすることができました。
-マンガを制作するきっかけは何だったのでしょうか?
公益財団法人B&G財団から海洋センター所在自治体による「偉人マンガの制作と活用事業」の助成事業を知り、東京2020大会を契機にパラオ共和国のホストタウンとなった蔵王町の歴史とそれらにゆかりのある偉人を中心に物語を制作し多くの人に知ってもらい、ふるさとへの愛情と理解を育てることを目的にマンガを制作することを決めました。
-制作したマンガはどのように活用されていますか?
蔵王町の全世帯に配布しました。特に小中学生には、身近にこんなことがあったんだという発見、パラオ共和国との交流のはじまりについて知ってもらい、将来の生き方や生活を考えるきっかけになればと思っております。
―マンガの制作過程はいかがでしたでしょうか?
歴史的資料やインタビューを参考に、シナリオを作成後、時系列になっているかの確認やセリフの細かな修正を行いましたが、マンガになってからのほうが、流れがわかりやすいためセリフの修正が多くありました。また、マンガ作成後に大きな変更を要望しましたがすべての要望に対応していただき大変感謝しております。
-マンガの反響はいかがでしたか?
蔵王町の北原尾地区を背景に作成した漫画でしたが、大変わかりやすく蔵王町の歴史を残す資料として、また、子どもたちの故郷への興味関心の向上や将来の生き方や生活を考えるきっかけになる本として大変好評でした。後世に伝えたい1冊になったと感じております。また、蔵王町のマンガをきっかけに近隣の自治体でも作成したいという問い合わせもあり、「マンガを通して理解度を深めてもらえる」自治体の広報として、マンガという新たな手法を見つけることができたと思います。
-今後のマンガ活用についてはどのようにお考えでしょうか?
町内の小中学校において、地域の歴史や偉人について学ぶ際の資料(副読本)として活用し、子どもたちが地域をより深く知るとともに、郷土愛を育む教材として活用していきたいと考えております。また、平和教育、国際交流の一助になれば幸いです。
東北の霊峰蔵王連峰の東麓、宮城県の南西部に位置し、町の中央を松川が貫流し美しい渓谷の景観を作り出しております。また、蔵王連峰に連なる高原地帯には貴重な野鳥などが生息し、自然の宝庫となっています。蔵王町は、米作・酪農・果樹栽培が盛んで、特に梨は生産高県内一を誇り、近年は海外まで輸出されております。また、観光面においては、県内有数の名湯遠刈田温泉を有し、毎年多くの観光客や湯治客が訪れております。
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