清水建設株式会社
清水建設は「働きがいと魅力あふれる職場づくり」をスローガンに掲げ、従業員間のコミュニケーション促進や働きがいの向上に向けた取り組みを進めています。その一環として、マンガを活用した施策を導入。今回、トレンド・プロでは第1弾から第3弾までのマンガ制作を担当しました。本記事では、この施策の背景やマンガ導入の意図、さらに得られた成果についてお話を伺いました。
ーまず、マンガのテーマである「働きがいと魅力あふれる職場づくり」を御社が実施する背景をお聞かせください。
「働きがいと魅力あふれる職場」とは、当社が目指す理想の職場であり、「一人ひとりが心身共に健康で、お互いが認め合う職場。そして、一人ひとりの特色や強みを最大限に発揮できる職場」と定義づけています。その実現に向けて、職場環境の整備と従業員の意識・行動改革を目的としたさまざまな施策を推進しています。
当社がこうした職場を目指すようになったきっかけは、2018年に施行された働き方改革関連法です。この法改正により、2024年から建設業界にも「時間外労働の上限規制」が適用されることとなり、当社でも労働時間の削減を全社的な課題として捉え、職場環境の改善や業務効率化に取り組む必要性が生じました。
そこで、一連の取り組みを単なる労働時間の削減にとどめず、「一歩進んだ」働き方改革へと発展させることが会社の持続的な成長に繋がると考え、「働き方」だけでなく「働きがい」という要素にも着目し、「働きがいと魅力あふれる職場」を当社の目指す職場の姿と定めました。
働きがいと魅力あふれる職場づくり」のために御社が行った施策や、その効果について教えてください。
当社では「働きがいと魅力あふれる職場」を実現するため、「対話」と「サーベイ」という取り組みを展開しています。
これは、上司と部下間や職場のメンバー同士で定期的に行う「対話」施策と、組織や従業員の状況を可視化する「サーベイ」施策を組み合わせることで、従業員の意識・行動変容を促す取り組みです。
社内調査の結果、1on1ミーティングに満足している従業員は、他の従業員よりも働きがいを高く感じていることが判明しました。このように、施策の効果をデータで検証しながらPDCAサイクルを回すことで、より高い効果の発揮を目指しています。
-施策の一環として、マンガを選択した理由を教えてください。
「対話」と「サーベイ」の取り組みを進める中で、「対話の目的が不明確」「実施方法がわからない」といった従業員の声が多く寄せられました。
この課題を解決するためには、従業員が取り組みを「自分ごと」として捉えられるような情報発信が重要です。特に、忙しい業務の合間でも手に取りやすく、短時間で直感的に内容を理解できるツールが必要でした。
そこで、視覚的な訴求力が高く、文字中心の情報よりも親しみやすいといった特徴に加え、気軽に見返すことのできるマンガを活用して情報発信を行うことを決めました。
-トレンド・プロに依頼した経緯と、選ばれた理由を教えてください。
日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)様が発行する『マンガでやさしくわかる』シリーズを拝読し、そのわかりやすさや実践的な内容が自身の学びに大いに役立った経験から、JMAM様を通じて同シリーズの制作実績が豊富なトレンド・プロ様をご紹介いただきました。
トレンド・プロ様の企画力や表現力、そして現場のリアリティを重視した制作姿勢に共感し、今回の制作をお願いすることにしました。
-マンガ制作において特にこだわったポイントを教えてください。
繰り返しになりますが、今回マンガを制作する目的は、従業員に取り組みを「自分ごと」として捉えてもらい、具体的な行動につなげることです。そのため、ストーリーには現場で実際に起きる出来事を反映させ、登場人物やシチュエーションにリアリティを持たせることに注力しました。
制作過程では、漫画家の方に現場の素材写真を提供し、従業員へのインタビューも実施しました。また、技術系の従業員に下書きを確認してもらい、「この時期にこういった会話は不自然」「この場面でこの部材は使われない」といった具体的な指摘を反映していきました。最終的に納得のいく仕上がりになったのは、細部に至るまで徹底的に検討を重ねた結果だと考えています。トレンド・プロ様をはじめ、関係者の皆様には大変感謝しています。
-マンガの反響はいかがでしたか?社員の声などがあれば教えてください。
マンガを全従業員に配布したところ、その後に実施したアンケートでは9割の従業員が「読んだ」と回答しました。
感想としては、「短時間で内容を理解できる」「実務に近く、すぐに役立てられる」といった肯定的な意見が多く寄せられました。一方で、「理想と現実のギャップをもっと意識してほしい」といった厳しい意見もありましたが、貴重なフィードバックとして受け止め、次回作や他の人事施策に生かしていきたいと考えています。
また、他部署から「同様のマンガを制作したい」という声も寄せられ、マンガというツールへの関心の高さを実感しました。
-今後のマンガ活用についてはどのようにお考えでしょうか?
今後は新入社員やキャリア入社の方にも配布するなど、従業員の目に触れる機会をさらに広げていきたいと考えています。
また、このマンガのキャラクターを社内の研修資料などにも転用し、従業員により親しみを感じてもらうことで、取り組みへの理解をさらに深めることができるのではないかと考えています。
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