理念浸透マンガで認知を拡大!グループ報でもトップクラスに注目されるコンテンツとは?

出光興産株式会社

今回は、「真に働く」を経営理念に掲げる出光興産様にお話を伺いました。昭和シェル石油との経営統合を経て、全ての従業員が共に同じ方向性を向いていくために掲げられたこの理念。理念の認知率は99%と高い水準でしたが、自分ごととして共感・実践することに対しては課題が残っていました。そこで、理念を解説した連載マンガをグループ報で掲載したところ、トップクラスのPV数に。コメント欄でも議論が活発に行われています。理念マンガのポイントや効果を詳しく伺いました。

  出光興産様の「真に働く」という理念ができたきっかけや経緯などを教えてください

出光興産は1911(明治44)年の創業以来、理念を大事にしてきた会社です。理念の実践を通じて社員が成長し、社会に貢献するという考えが受け継がれてきました。

2019年に昭和シェル石油と経営統合するにあたり、出光興産が理念を大事にしている会社であることは昭和シェル石油側も大変気にしており、理念を押し付けられるのではないかとの警戒感もあったようです。そのため、創業者の言葉はあまり表に出しすぎず、機が熟してから両社に共通する企業理念を作ろうということになりました。

そして2021年頃、社員から「やはり共通の目標がないとビジョンや方向性を語り合う際にはがゆい、進めにくい」という声が上がったため、企業理念を制定しました。このような経緯で生まれたのが「真に働く」です。

  社員の方々が理念に共感しているという土台があったからこそ、新たな理念を制定へ、という声が上がったのでしょうか?

はい。グループ報での発信の他、各部門や人事部が主導して座談会や理念について話し合う機会を設けていることもあり、社内での企業理念の認知率はずっと90%を超えています。直近だと約99%となっています。

ただ、認知はされていますが、自分のものとして共感し実践することに関しては不十分だという課題がありました。

また、理念に対して反感や疑問を持っている社員も少なからずいるでしょう。そんな社員に届けるにはどうしたらいいのかという課題もありました。そんな時、組織風土の改善を掲げる有志のチームから「マンガがいいのではないか」という声が上がりました。

「マンガがよい」という意見の理由にはどんなものがあったのでしょうか?

幅広い世代に馴染みのある媒体ですし、気軽に読んでもらえます。また、マンガであれば多少ネガティブな内容でもクスッと笑ってもらえたり、受け止めてもらったりしやすいのではないかというのも理由としてありました。

 今回、トレンド・プロに依頼していただいた経緯と、選ばれた理由(良いと思った点)を教えてください。

マンガの制作会社を検索している際に「ad-manga.com」を見つけ、そこからトレンド・プロさんへたどり着きました。実際に清水さん・山崎さんとお話しをする中で、話を聞いてくれて的確にアドバイスしてくれると感じたため、トレンド・プロさんにお願いしようと決めました。

出光興産は人を大事にしている会社ですので、取引先を選ぶにあたっても、人を大事にしている、自主性がある、その業務が好きで前向きに取り組んでいることも重要視しています。実際にお会いして、「これだけ魅力的な人たちが働く会社だったら大丈夫だ」と感じられたことも理由の一つです。


マンガを制作することで実現したかったことは、どんなことでしょうか。

まずは、理念に対してネガティブな感情を持っている社員にアプローチしたい、理念について議論するきっかけにしたいという想いがありました。そこで、マンガでは主人公に「理念なんか必要なの」「なんでこんな内容なんだ」などと言わせ、他のキャラクターに「実はこんな理由なんだよ」と言ってもらう構成にしました。

理念を自分ごととして捉えてもらい、実践してもらうために「理念は会社のためだけのものではなく、社員一人ひとりのためのものですよ、だからみんなで将来に向かって取り組んでいきましょう」というメッセージを発信しました。

こだわったポイント、工夫したポイントを教えてください。

主人公を身近な存在と感じてもらえるように心がけました。また、理念を教えるキャラクターは押し付けがましくならないように、柔らかい雰囲気でちょっと抜けた感じにしました。

漫画の制作過程について大変だったことはありましたか?

大変だったというか、時間をかけた部分はストーリーを約10話分のボリュームを出すこと、ストーリーの方向性、キャラクター付けなどです。

トレンド・プロさんはシナリオやネームの段階からクオリティが高く、スピーディーに対応してくれましたし、ストーリーに行き詰まっていたときに相談した際には的確な提案をしてくださるなど、きめ細かい対応にとても満足しています。

マンガをきっかけに議論が活性化!注目を集める理念マンガ

ーマンガの反響はいかがでしたか?社員の方からの声などがございましたらぜひお聞かせください。

 マンガは国内約11000人の出光グループの社員と関係者が閲覧できるグループ報に掲載しています。「なんでマンガなんか……」のようなネガティブな声はなく、「マンガ、いいよね」という声がほとんどです。また、他部の方からマンガを活用したコンテンツを作るためにはどうしたらよいかと相談を受けることもあります。

実際にマンガを読んでくれる社員も多くいます。グループ報は閲覧者が1000ユーザーを超える記事は月1~2本ですが、理念マンガの第1話は約4400ユーザーを獲得しました。これはグループ報のコンテンツの中でもトップクラスです。その後の話もコンスタントに1000ユーザー以上に閲覧されています。

また、グループ報には自由にコメントをつけられる機能があり、理念マンガのコメントの中には称賛だけではなく「私はこうは思わない」という批判の声もありますが、賛否両論の議論が活発に交わされることも狙っていたので、いいことだと捉えています。

 

ー今後のマンガ活用についてはどのようにお考えでしょうか?

現在は社外の方、特に取引先など社外の方に当社の歴史を知ってもらおうと、「出光の歴史」をテーマにしたマンガを3カ月に1回発行している広報誌に連載しています。こちらは約20000部を配布しています。

こちらに関してはまだ社内の声しか把握できていませんが、理解しやすい、読みやすいと好評です。歴史は文章にするとどうしても長くなってしまうので、一回につき4〜5Pの漫画にまとめてくれるのは大変ありがたいです。

また、出光の理念マンガも第二弾を社内で提案しています。今度は事業部が理念を理解し、どう実践するかという内容を各事業部で議論してもらい、その内容をマンガにしようという試みです。マンガの内容を考えるプロセスを経ることで、理念についてより深く考えてもらえるのではと期待しています。

出光興産株式会社

清出光興産(株)は、“仕事を通じて人が育ち、無限の可能性を示して社会に貢献する”ことを大切に考え、社会に必要とされるエネルギー・素材を安定供給しています。

今後もその使命を果たしながら、カーボンニュートラル・循環型社会に貢献する新しいエネルギーや素材、ソリューションを社会実装していきます。

 

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