部下・後輩と良好な関係を築くことが出来るたった1つの質問|トレンド・プロ
こんにちは、戒能(かいのう)です。
皆さんは、部下や後輩との人間関係をうまく築けていますか?
多くの人は「うまくやれている部下も数人はいるけど、うまくいかない相手もいてちょっと悩んでいる」というところではないでしょうか?
それは、決してあなたが悪いわけではありません。あなたと相手の「考え方の相性」の問題なのです。
自分と相手の考え方を客観的に分析し、相手に合わせて接し方を変えていくことができれば、良好な関係を築くことができます。
「相手の考え方を分析する手段」として役に立つのが、今回紹介する「DiSC(ディスク)分析」です。
とても簡単にできる分析方法で、世界84カ国、4000万人以上に利用されている、たいへんポピュラーなものです。
DiSC分析では、その人の行動原理や大事にしているものをもとに、人を4つのタイプに分類します。
あなた、そしてあなたの部下・後輩は4つのタイプのうちどれに当てはまるでしょうか。
手間はかかりません。次のたった1問で、どのタイプかがわかります。
質問:あなたはお金という言葉を聞いて、何をイメージしますか?
①お金=力 ②お金=自由 ③お金=愛情 ④=お金=保守
…選びましたか?それでは結果を見ていきましょう。
①を選んだ方…Dタイプ(Dominance=「主導」)
意志が強く、「勝利」「達成」「挑戦」といった言葉を好むタイプです。
人からコントロールされるのではなく、自分が先頭に立ってリードしたいという思いが強いので、リーダー気質ともいえるでしょう。
細かいルールや全体のチームワークよりも、自分の目標や勝敗を重要視しています。
②を選んだ方…Iタイプ(Influence=「影響・感化」)
感情豊かで人とのコミュニケーションを重要視します。
社交的で親しみやすく楽観的……ムードメーカー的役割を果たします。
一方で、厳しいことを言ってチームワークが乱れることを嫌うので、甘い対応になりがちです。緻密性や厳しさに欠けることがマイナスに働いてしまうこともあります。
③を選んだ方…Sタイプ(Steadiness=「安定」)
従来のやり方、リスクが少ない選択を選ぶことが多いタイプです。
人間関係にも安定を求めているので、自分の意見を言うより「聞き手」に回ることが多いです。協調性があるので、誰にとっても安心して一緒に仕事ができるタイプといえるでしょう。
その代わり、新しいことへの挑戦は苦手なので、新製品開発などの役割は得意とはいえません。
④を選んだ方…Cタイプ(Conscientiousness=「慎重」)
データや計画を重視し、そこからズレることを嫌う完璧主義者です。
人間関係はあまり重要視しないという点が、Sタイプとの違いです。
自分が納得しない限り他人に何をいわれても動きませんが、データ分析やこれまでの事例から自分が正しいと思うことに関しては、遠慮なく意見を言います。
論理的かつ正確性を重視するので仕事の質は高いですが、協調性をあまり気にしないため、周りと衝突することも少なくありません。
ちなみに、日本人は以下のような割合になるといわれています。
D:主導型(Dominance)→1割
i:感化型(influence)→2割
S:安定型(Steadiness)→4割
C:慎重型(Conscientiousness)→3割
安定型が最も多いのは、なんか納得しますね(笑)
では、このDiSC分析を実際どのように部下や後輩の教育に役立てればよいのでしょうか?
ここでポイントとなるのは、タイプによって「得意なこと」「言われてうれしいこと」「嫌だと感じること」が異なるという点です。
ここからはそれぞれのタイプへの上手な接し方を紹介します。
D:主導型の人への接し方
☑ポイント
Dタイプは、「挑戦」や「達成」が好きなタイプ。是非チャレンジしたくなるような少し高めの目標を与えてあげると、グングン成長してくれます。結果に対し、きちんと評価してあげることも大切です。
昇給以外にも、「名刺の肩書」をランクアップさせたり、「机の配置」を変えたりといった、目に見える報酬を与えてあげると効果的です。細かいことはあまり口出しせずに、自分のやりたいことに挑戦できる環境を整えてあげると、その人のポテンシャルがより発揮されるでしょう。
☑ココに注意
人間関係に無頓着な傾向があるため、チームワークを乱していないかチェックすることが非常に重要です。
リーダーには向いているのですが、放任しすぎるとやりたい放題になってしまい、周りからの信頼が下がってしまいがちです。成果を褒めつつ、チームワークや人間関係の重要性に気付かせる必要があります。
I:感化型の人への接し方
☑ポイント
Iタイプは承認欲求が強く、自分の存在を気にかけてもらうことを嬉しく感じるタイプなので、まずは接触する回数を増やすことが大切です。自分が上司に気にかけてもらえていないと感じるとモチベーションが下がります。
「褒められたい」という欲求が他のタイプに比べより一層強いため、とにかく「褒めて伸ばす」という意識が大切。
仕事についてはもちろん、服装や趣味のことでも構わないので、気付いたことを褒めましょう。
☑ココに注意
楽観的で人間関係を重視するあまり、自分にも他人にも甘くなってしまうのがIタイプの特徴です。
日頃から気にかけてあげて、一緒に確認やフィードバックをしっかりしましょう。
S:安定型の部下に対する接し方
☑ポイント
Sタイプは言われたことを素直にコツコツ頑張るタイプです。そのため、漠然とした指示を与えて自由にやらせるというのではなく、細かく「具体的」な指示をしてあげると、能力を発揮します。
安定した状態でいたいという思いがあるので「困ったことがあったらいつでも相談してね」という風に言うことで、安心して仕事に取り組むことができ、良い関係を築けます。
☑ココに注意
自分から新しく行動することが苦手なため、指示以上のことを達成することはあまりありません。そのため、指示する側がうまくマネジメントし、徐々に与える仕事の水準を上げていく必要があります。
いきなりハードルを上げてしまうのではなく、少しずつ成長を図っていけば、着実に成長していきます。
C:慎重型の人に対する接し方
☑ポイント
Cタイプはとにかく自分の頭で納得したいタイプ。そのため指示に対して「なぜそれをしなくてはいけないのか」「それをする意味はあるのか」といったことを聞いてくるケースが多々あります。しかし、これは反抗していたり、その仕事をやりたくないという意志表示をしていたりするのではありません。あくまでも「理解して納得した上でやりたい」という気持ちの表れなのです。Cタイプの相手に接するときは、感情的な発言は控え、論理的に理由や目的を話してあげることが肝要です。
☑ココに注意
感情論で話をされたり、納得できなかったりすると不満がたまります。下手をすると面従腹背になる危険性も。
また、このタイプも人間関係を重視するタイプではないので、感じた疑問や納得できない点はズバズバ言います。周りがストレスを感じていないかもチェックする必要があるでしょう。
今回は部下や後輩といった、人材教育・育成にフォーカスしてDiSC分析を紹介しましたが、これは上司や同僚、取引先のお客様など他のさまざまな場面で使うことができます。
円滑なコミュニケーションで大切なことは、相手のタイプを見極め、それに合わせて対応を変えることです。
ぜひ実践してみてくださいね。