
中小企業でもできる!低コストで始める「顧客体験価値」向上策5選
「良いモノを安く売る」だけでは選ばれにくくなった今、大手企業だけでなく中小企業にも求められているのが「顧客体験価値(CX:Customer Experience)」を向上させることです。
前提として、中小企業が大手企業と同じ土俵で価格競争をするのはリスクが大きく、利益を圧迫しやすいという側面があります。そこで、「この会社だから選びたい」と顧客に感じてもらえることは、差別化とファン獲得の大きな武器になります。
そうは言っても、中小企業は予算も人材も限られていることがほとんどです。そのため、「顧客体験の強化なんて、余裕がない…」というのが本音かもしれません。
本記事では「すぐに・低コストで実行できるCX施策」を5つに厳選してご紹介します。小さな工夫が、顧客の記憶に残る大きな価値となることを、ぜひ実感してみてください。
中小企業が直面する顧客体験価値向上の壁
中小企業がCXに取り組む際には、主に以下の3つの課題が挙げられます。
・人材が足りない
・資金に余裕がない
・施策を考える時間がない
それ以外にも、「データ分析」「AI活用」「高度なパーソナライズ」などに代表される、大企業が導入しているようなテクノロジー施策には手が出せないと感じることも多いでしょう。
しかし、中小企業には中小企業ならではの「機動力」や、顧客との人の近さやきめ細やかな対応などに代表される「人の温かさ」があります。つまり、高度なツールや大規模な投資がなくても、お客様の“驚き”と“安心”を生む工夫でCXは十分に向上できるのです。
低コストで始められる!顧客体験価値向上策5選
ここからは、実際に中小企業でも手軽に取り入れられる施策を5つご紹介します。どれも「コストをかけずに、すぐに始められる」ものばかりです。
1.お礼メッセージの同封
通販で商品を送る際や、サービス提供後などに「お礼のひと言メッセージ」を添えるだけで、顧客の印象は大きく変わります。例えば、
「このたびはご注文いただきありがとうございました。お気に召していただけたら嬉しいです。」
この一文があるだけで、顧客は「人が対応してくれている」と安心感や信頼感を感じられます。テンプレートでも構いませんが、できれば名前やひとことを添えて「自分ごと」として受け取ってもらえる体験にしましょう。
2.Googleビジネスプロフィール・口コミへの丁寧な返信
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)や口コミサイトで、顧客からの声に返信することもCX向上に直結します。顧客は、自分の書き込んだコメントに返信があるだけで大きな信頼感を感じることができるでしょう。
特に、クレームコメントに対して感情的にならず、冷静に寄り添う返信があると、他の閲覧者からの評価も好転します。これは無料でできる、非常に強力なCX施策です。
3.初回来店・初回購入時の「ちょっとした特別感」
「はじめて」を記憶に残すことは、リピートにつながる強力なきっかけです。
・飲食店なら、初回来店時にミニデザートをサービス
・美容室なら、初回特典としてヘッドマッサージを追加
・オンラインサービスなら、初月限定でお役立ちガイドをプレゼント
このような「ちょっとした特別感」は、大きなコストをかけずにCXを大きく向上させます。
4. SNSで「人の顔が見える」発信を
中小企業の強みの一つは、「人の距離感が近いこと」です。この強みを活かせるのが、SNS発信です。
・スタッフの紹介
・商品開発の裏話
・日々のちょっとした気づき
これらをX(旧Twitter)やInstagramやなどで発信することで、顧客の共感を得られます。「応援したくなる」「ここから買いたい」と感じてもらえる関係性が、体験価値を高めます。
5.顧客の声をもとに改善し、「反映したこと」を伝える
CXにおいて、「私の意見を聞いてくれた」「顧客の提案を反映してくれた」という体験は何よりの感動です。
・アンケートやSNSのDMで意見を募集
・実際に改善・変更を行う
・SNSやホームページなどで「◯◯という声を受けて、こう変えました」と伝える
こうすることで、顧客は「自分の声が届いた」と感じ、強い信頼感とファン化につながります。
実際に顧客体験価値向上施策を取り入れた中小企業の事例
ここからは、実際に顧客体験価値を高める施策を取り入れ、実践している中小企業の事例を紹介します。
◾️会社菊廼舎本店
株式会社菊廼舎本店が運営する「銀座菊廼舎」は、1890年に創業した老舗の和菓子店です。同社は、ECサイトをリニューアルした際、単に商品を選ぶだけでなく、「商品の蓋を開けた時にまるで宝石箱を開けたような感動を感じ、美味しくお召し上がりいただく」ことを目指し、そのために何ができるかを細かく想定した上でさまざまな施策を展開しました。
例えば、同社の商品「冨貴寄」にメッセージをプリントできるサービスを提供。ただメッセージを入力するだけでなく、イメージ画像を確認できる機能を追加することで、注文しやすくなりました。
これ以外にも、同社製品を良い状態のまま顧客に届けるために手作業で缶詰め作業を行い、配送テストを複数回行うなど、顧客に良い体験をするための工夫を凝らしています。
◾️株式会社カズマ
株式会社カズマは、EC販売が普及して間もない2006年からECサイトでコンタクトレンズの販売を開始した、コンタクトレンズ通販のパイオニア企業です。同社は、顧客のストレス軽減と快適なお買い物環境の実現を目指して、複数回のECサイトのリニューアルやアプリ構築などを行っています。
同社の改善施策の例として、例えば定期購入サービス解約時のアンケートを解析し、コンタクトレンズの度数変更希望者には解約せずに変更できる方法を案内し、きめ細かいフォローで継続購入を促しています。
また、欠品している度数のコンタクトレンズをグレーアウトし、商品選択に誤った度数や商品を選択することを防ぐなど、顧客の商品購入までのストレスや工数を削減することに成功しています。
◾️株式会社柳田織物
株式会社柳田織物は、オリジナルのシャツを製造・販売するブランド「ozie」を運営する企業です。
同社は、コロナ禍をきっかけに「リアルな接客の重要性」を再認識し、顧客との接点を増やして差別化を図る施策を導入しました。その一つとして、問い合わせの件数を増やすことを目的として、ECサイトの「チャット接客」を導入しました。
一つひとつの問い合わせに人力で対応するのではなく、チャットボットを導入することによって素早く効率的に対応することができ、問い合わせ件数は導入前に比べて1.5倍に増加しました。その後、マーケティング機能を導入したことで、問い合わせ件数は導入前の3.6倍にも増えたとのことです。結果的に、導入前と比較して5倍となる月80件超の問い合わせ件数を達成しています。
中小企業にとって、CXの向上は予算がなければできないというものはありません。例えば、
・感謝の気持ちを伝える
・顧客の声にしっかり応える
・SNSで人の温かさを届ける
こうした「人だからこそできる施策」こそ、中小企業に向いているCX向上の第一歩です。
限られたリソースのなかでも、顧客体験価値を高める工夫は今すぐにでも始められます。
今日からできる一歩を、ぜひ踏み出してみませんか?
トレンド・プロでは、マンガを起点に顧客体験価値向上施策のお手伝いをしています。商品に同封するDMや、ウェブサイト、SNSなど様々な場面でマンガというツールを通してお客様に想いを届ける支援が可能です。
顧客体験価値向上施策の一つとして、ぜひマンガのご活用もご検討くださいませ。
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