裁判員制度Q&Aのマンガ制作実績のご紹介
2009年5月 裁判員制度スタート!
2009年5月、裁判員制度がスタートし、8月3日には最初の裁判員裁判が行われました。国民の司法参加、という新たな試みに、連日のように報道されていたのは記憶に新しいところです。
ところで、裁判員制度とはどのようなものなのでしょうか。最近の裁判において、一般の人々が事件に対して抱く感覚と、裁判官の下す判決との間にギャップがあることが指摘されています。これに対して、実際に一般の方々が裁判に参加することで、裁判を一般の方々にも分かりやすいものにし、司法への信頼を高めてもらうことを目的として、司法制度改革の一環として導入されるのがこの制度です。
裁判員裁判では、重大な刑事事件において、一般の有権者の方々に裁判員として裁判に参加してもらい、被告人が有罪か無罪か、どのくらいの刑を与えるべきか、裁判官と共に判断します。
『マンガを使ったQ&A集を作りたい!』
この裁判員制度は裁判員になる一般の方々の理解と協力が不可欠であり、実施のためには一般の方々に制度のことをきちんと知ってもらわなければなりません。
そのために、裁判所は広報活動に力を入れ、映画やイベントなど、様々な取り組みを行ってきました。その中でも、若者からお年寄りまで、幅広い層に受け入れられやすく、なおかつ分かりやすく制度のことを知ってもらえるツールとして、最高裁判所が白羽の矢を立てたのが、マンガを使ったQ&A形式のパンフレットでした。
この一冊で裁判員制度の基本が理解できる!
一言でマンガパンフレットといっても、分かりやすく、効果的で、なおかつ楽しく読めるものにするために、数々の工夫を凝らしています。
本文は裁判員になる可能性ある人々が主人公として登場する、問題提起解決型のショートストーリーマンガです。Q&Aをマンガで表現することで、読者が登場人物を通して制度を疑似体験でき、裁判員制度に対する理解を深めやすくしています。
また、主人公たちの「疑問」に、裁判のプロである裁判官が、裁判所を飛び出して直接答えるという形で描くことで、裁判官を身近な存在に感じさせるよう配慮しています。
さらに、幅広い年齢層に受け入れられるタッチの漫画家を起用することで、老若男女問わず抵抗なく受け入れられるマンガになっています。
構成にも工夫があります。全部で30あるQ&Aの順番を、裁判員裁判の時系列を意識した章立て・構成にすることで「分かりやすさ」を実現しました。また、2ページ見開き単位の本文構成や、表紙や目次のデザイン・レイアウトを工夫することで「検索性」を高めています。
発行以来240万部以上を印刷! 毎年、約30万人の裁判員候補者にも配布
このパンフレットは、全国で行われてた「裁判員制度フォーラム」をはじめとする告知イベント等で幅広く配布され、「分かりやすい」と非常に好評で、発行以来240万部以上が印刷されました。
また、裁判員制度スタート後も裁判員予定者名簿の掲載通知書と共に、毎年30万人の裁判員候補者にも配布されています。
◆関連リンク
「裁判員制度メールマガジン」(第17回の「僕の裁判員体験記 第1回」にパンフレットが出てきます)