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【タッチ選びのポイント】大学生25名にインタビュー!好きな絵柄はどれ?

こんにちは。Webマーケッターの戒能(愛媛県出身)です!

今回は、「学生(=大学生)に好まれるタッチ(絵柄)」についてご紹介します。



若い世代はマンガが好き!だけど…


今の学生は、生まれた時からマンガに慣れ親しんだ「マンガネイティブ世代」です。


そのような背景もあり、学生への情報伝達手段として

マンガを検討される企業はたくさんあります。


「今の学生ってどんなタッチが好きなの?」と、

私もお客様からよく聞かれます。



しかし「今の学生に好まれるタッチ」を絞るのはたいへん難しいことです。



なぜなら、

「今の学生がこぞって読んでいる作品はコレだ!」

という代表作がないからです。



少し上の世代(20代後半)だと

『ワンピース』『テニスの王子様』『君に届け』『砂時計』など、

「その世代の大多数に読まれたヒット作」がありました。


なので、それに近いタッチを選べば間違いがなかったのです。



しかし今は、無料マンガアプリが充実していることもあって、「様々なジャンルの中から自分に合ったものを読む」という傾向にあります。

つまり、マンガ誌のくくりを超えて作品単位で読者が自分の好きなものを選ぶため、ひとつの作品に人気が集中しづらくなっているのです。




「学生に好まれるタッチ」を既存の作品から読み解くのが難しくなった。

──ではどうすればいいのか。




私、戒能はGOODなアイディアを思いつきました。



「直接聞けばええやん!」



マーケッターの仕事 = 調査!

ということで、大学生にインタビューしてみました。




調査対象は、大学3年生25名。

※知り合いの学生に声をかけて協力してもらったので、サンプルとして偏りはあります。


彼らにトレンド・プロの作品群(広告マンガ、ビジネスコミック)を見せて

「この中から“絵が好きな作品”を選んでください

(絵の好みが知りたいから、セリフは見ないでくださいね)」

とお願いしました。




私は、「商業マンガ雑誌に載っていそうなもの」という基準を設け、

次のような仮説を立てました。



・エンタメ性の高い賑やかなタッチが好きそう

・リアルな絵よりも、少しデフォメされている方が好かれそう

・ビジネスコミックタッチは好まれないだろう




「学生に人気ありそうなタッチ」私の予想はこちら


(ベースボールマガジン社様)



(ギノ様)


(財務省様)


結果発表!

特に多くの支持を集めたタッチはこちらです!


(ダイヤモンド社様)

(トーテックアメニティ様)



── 全然違いました!!

マーケッターとしての私の立場が……(Jesus!)。


とはいえ、たいへん興味深い結果です。

調査してよかった!(思い込みの怖さも知った……。)





以下、ポイントをまとめました。


①クセがない

シンプルな絵(描き込みが多すぎない)が好まれるようです。

また、「萌え絵」や「アメコミ風」といった個性的な絵よりも、

万人受けタッチが人気でした。


(萌え)


(アメコミ)



②大人びたタッチ

「学生向け」と聞くと「書店でよく見かける少年誌みたいな感じかな」

と思われる方もいるかもしれませんが(←それ私や!)

社会人をターゲットにした、

落ち着きのある頭身が高い(頭と身体のバランスが現実に近い)タッチに

人気が集まりました。



(少年誌を意識したタッチ)



(ビジネスマンを意識したタッチ)




ちなみに、学生に「社会人を描いた作品でも楽しめますか?」と聞いたところ、

全員がYESと答えました。


「『自分が社会人になったらこんな感じかなー』って思えて面白いです」

「先輩とかバイト先とか、身近に社会人が結構いるんでイメージできます」

「もうすぐ自分たちも社会に出て働くので、共感できます」



……とのこと。





③中性的

今回の調査で意外だったのは、男性が男性らしい硬派なものを選ぶかというと、

そういうこともなく、

女性票が少女マンガっぽいものに偏ることもありませんでした。



選ばれたのは、その中間にあたるものです。


(男性的なタッチ)


(中性的なタッチ)


(女性的なタッチ)


④丸みを帯びたタッチ

優しい感じを「丸い」

硬派でカッコいい感じを「四角い」

と表現することにします。

学生は「丸い」方が好きなようです。


(丸い)

(四角い)



──… あれ? この4つの特徴って

『万人受けタッチ』と共通しますね。


──… あれ? この4つの特徴って

『万人受けタッチ』と共通しますね。



YOKO KAINO
YOKO KAINO
愛媛県出身。東京の某女子大学を卒業後、イギリスの大学院に入学。帰国後、紆余曲折あって広告マンガの編集者になる。入社1年目に担当した『まんがでわかる 伝え方が9割』が20万部を記録し、今年の3月にNHKに出演。好きな漫画は『ブラックジャック』。