路上パフォーマーが投げ銭を集める「ストーリーブランディング」の技術
こんにちは、内定者の杉原です!
つい先日、路上パフォーマーの大道芸を観て、彼の巧みなテクニックに驚いてしましました。
そのテクニックとは、ジャグリングやフラフープなどの技術ではありません。
彼のパフォーマンスには、
「ストーリーブランディング」のテクニックが
ふんだんに盛り込まれていました。
誰よりも投げ銭を集めたパフォーマー
真っ赤な衣装に身を包んだカタコトの大道芸人は、今までに観た路上パフォーマーの中ではどちらかというと下手な方でした。
それでも、彼のパフォーマンスが終わると地面に置かれている彼のシルクハットがお札で一杯になっていました。
彼は、今まで観たどのパフォーマーよりも投げ銭を集めることができていました。
応援したくなる「弱いキャラクター」
その路上パフォーマーは「ちょっと下手」だと思われる演出を随所に盛り込んでいました。
ジャグリングを何度も落としそうになったり、
高いところに登る前に胸に手を当てて深呼吸したり、
登った後は何度もフラついて危うく落ちそうになったり…
降りるときは「ヒトリでオリラレナイー!!」と叫んで、観客に肩を貸してもらっていました。
顔色ひとつ変えずになんでも軽々とやってのけるパフォーマーよりも、彼のようなパフォーマーの方がハラハラしながら見てしまいますよね。演出だとわかっていても、つい応援したくなってしまいます。
「弱さ」を観客に開示して親近感を感じさせることで、観客はパフォーマンスだけでなくパフォーマー自身にも魅力を感じ始めます。このテクニックはストーリーブランディングにも共通する技術です。
そして、彼のパフォーマンスにはこのような「クライマックス」が用意されていました。
「がんばって!」と応援したくなる「ストーリー」
その大道芸人は、最後のパフォーマンスの前に自分の過去の物語について話し始めました。
16年間パフォーマンス一本で生活していること、
その生活は観客からの投げ銭でなんとか成り立っていること、
次に披露する最後のパフォーマンスは2年間ひたすら練習してやっと完成させたこと…
「このパフォーマンスは今も練習中で、いまはまだ2回に一回しか成功しないケド…きょうは勇気を出してヤッテミル!!応援してくれる人は、拍手クダサーイ!!」
彼がそう言うと、観客から一斉の拍手!が沸き起こりました。
そして、最後のパフォーマンスが無事成功するとさらに大きな拍手が。
パフォーマンスの後の投げ銭タイムではお札を片手に握手を求める列ができていました。
次々に握手を求める観客たちは、ジャグリング等のパフォーマンスの対価としてお金を払っているというより、大道芸人を応援するためにお金を払っている感覚なのではないでしょうか。
このように、困難を乗り越え挑戦する「ストーリー」は聞き手の共感を促し、親近感を持って応援してもらえる力があります。
まとめ
・「ストーリーブランディング」ができている大道芸人は投げ銭を多く集められていた
・弱さを見せることで大道芸人に親近感を与えるテクニックが使われていた
・ストーリーを語ることで応援心理を湧き起こすテクニックが使われていた
「ストーリーブランディング」は大道芸人だけでなく、あらゆるビジネスにも応用できる技術です。
「あなたから買いたい」
「あなたと仕事がしたい」
そう思ってもらうための戦略立案の際は「ストーリーブランディング」を検討してみてはいかがでしょうか。