【明治時代から!?】日本一長く愛される「あのお菓子」は"ストーリー"で売れていた
先日、TVでこんなクイズがありました。
【現在も販売されているお菓子の中で、一番歴史の古い商品はなんでしょう?】
「うーん……昔からあるお菓子……」
コンビニやスーパーのお菓子コーナーに並ぶお菓子を1つ1つ思い出しながら考えてみました。
その番組ではランキング形式で今も長く売れ続けている、歴史の古いお菓子トップ10が順番に発表されました。
有名なあのお菓子の順位は……?
歴史の古いお菓子トップ10のなかでも特に有名なお菓子をピックアップしてみました。
9位 ビスコ[江崎グリコ]
ビスコの発売開始は昭和8年(1933年、84年前)。
「ビスコ」という商品名は、ビスコが「酵母入りビスケット」だということに由来しています。「酵母入りビスケット」を略して「コービス」、それがさらにひっくり返って「ビスコ」になったそうです。
8位 都こんぶ[中野物産]
8位はコンビニでもたまに見かける都こんぶでした。
都こんぶの販売開始は昭和6年(1931年、86年前)。和風のパッケージデザインや「都こんぶ」というネーミングが歴史を感じさせますね。
4位 グリコ[江崎グリコ]
グリコといえば、道頓堀にあるグリコの看板が頭に浮かんできます。
「ひとつぶ300メートル」のキャッチコピーも有名ですね。そんなグリコの販売開始は大正十一年(1921年、96年前)。
美味しいキャラメルと「おまけ」のセットが子供たちのハートをつかみ、これほどまでのロングラン商品に成長しました。
3位 森永ミルクチョコレート[森永製菓]
大正七年(1918年、99年前)に販売を開始した「森永ミルクチョコレート」。パッケージにも「Since 1918」の文字が刻まれています。
ちなみにライバル会社、明治製菓の「明治ミルクチョコレート」はランキング7位。森永の8年後に販売されました。
2位 森永ミルクキャラメル[森永製菓]
販売開始は大正二年(1913年、104年前)。なんと100年以上前から生産されています。
キャラメルといえば森永ミルクキャラメルのあの黄色いパッケージを思い出します。今もコンビニのお菓子コーナーに並んでいます。
第3位に続いて第2位も森永製菓でした。
そして1位は、、、
1位は「ドロップ」!!
第1位 サクマ式ドロップス[佐久間製菓]
名だたるお菓子を差し置いて第1位に輝いたのは、佐久間製菓の「サクマ式ドロップス」でした!
販売開始はなんと明治時代!!明治四十一年(1908年、109年前)です。
一体なぜ、サクマ式ドロップスはこんなにも長く多くの方に愛され続けているのでしょうか?
・1つの缶にいろんな種類が入っているので飽きにくい
・昔から変わらず親しまれている美味しさ
・缶から出す時に「何味が出るかな?」とワクワクさせられる
…などなど、商品自体の魅力もたくさんありますが、他社のキャンディ、ドロップ等と比べものにならないほど美味しい!とまで感じる方は少ないと思います。
ドロップの味や形や分量、値段も他社の製品とそれほど大きな違いはありません。
それでもドロップが長年愛され続けている背景には「ストーリー」が大きく影響しています。
ドロップに学ぶストーリーブランディング
ドロップと聞いて連想するのはあの映画、
『火垂るの墓』
ですよね。
『火垂るの墓』の物語においてドロップは、日に日に窮乏していく兄弟の生活を反映するように、象徴的に描かれています。
最初は缶いっぱいに入っているドロップも物語が進むにつれ減り続け、残ったドロップも缶に水を入れて溶かして飲んでしまいます。
終盤で節子が衰弱のあまり、おはじきをドロップと間違えて口で転がすシーンは心をえぐられるようなショックを感じました。
『火垂るの墓』を見たことがある方は、ドロップの缶を見ると映画のワンシーンが浮かんでくるのではないでしょうか。
強烈な物語の記憶が商品イメージと結びつき、サクマ式ドロップスは他製品とは比べられない“唯一無二”ともいえる存在感を獲得しています。
『火垂るの墓』は“不朽の名作”として世代を超えて親しまれているからこそ、サクマ式ドロップスのブランディングも色褪せることなく歴史の古いお菓子ランキング1位という結果に至ったのではないでしょうか。
まとめ
・現在販売中で一番歴史が古いお菓子はドロップだった
・ドロップはストーリーによって唯一無二の存在感を獲得している
・ストーリーと結び付いたイメージは長く、深く記憶に残る
あなたの売りたい商品・サービスがうまく他社と差別化できないとき、安易な安売り競争に巻き込まれそうになったときは“ストーリーブランディング”を検討してみてはいかがでしょうか。