「進研ゼミ」に学ぶ!効果的なマンガの構造
「進研ゼミ」入会案内マンガとは
ベネッセが全国の小中高生を対象に、学習教材『進研ゼミ』の入会案内として使用している漫画形式のダイレクトメール。 教育系事業のダイレクトメールに初めて漫画を使用したのは進研ゼミであり、同じ学年でも、男子用・女子用、47都道府県別の受験情報など、何十種類もの内容のダイレクトメールを用意している。この戦略がダイレクトメールの開封率を圧倒的に高め、会員数の増大につながっている。ではなぜ、進研ゼミの漫画はそれほどまでに効果的なのか? 実はそこには綿密に計算された共通構造があったのだ。今回は、その秘密を解明してみよう。
マンガ全体の流れ(全30ページ)
作品のポイント
・ターゲットと等身大の主人公を描く事により、現実感を持たせている。
・問題にぶつかるたびに、助言をあたえるアドバイザー的な存在がいる。
・アドバイザーも友人の兄や先輩など、身近で現実的な存在である。
・勉強以外にも多くの困難がある。(勉強と部活の両立、家族との軋轢など) それを乗り越えていくことでドラマ性が生まれ、読者が惹きこまれる。
・成績優秀なライバルの存在が、主人公が進研ゼミを使うきっかけになっている。
・気になる異性との恋物語を加えることで、エンタメ性も高めている。
・大事なセリフには黄色いマーカーが入る。
・必ずテストのシーンが入り、成功の事例を具体的に提示している。 「この問題…進研ゼミでやったのと同じだ!」という台詞はほぼ必ず入る。
基本設定
<登場人物>
主人公…成績が伸び悩み、その他多くの心配事を抱えている。
ライバル…成績が良い。主人公が進研ゼミを始めるきっかけにもなる。
アドバイザー…主人公が壁にぶつかるたびに、助言を与え助ける。
異性の友人…主人公と仲が良い。
進研ゼミを使用した主人公と急接近する。
成功するマンガの3大秘訣
①問題提起解決
初めに問題を提示し、その解決方法を示すことで商品の魅力をわかりやすく伝える
②疑似体験
登場人物や設定を等身大に描くことで、ターゲットが感情移入しやすくなる
③ドラマ性
ただのサクセスストーリーではなく、様々な困難が入ることで物語にメリハリが生じ、読者を引き込める