【社員教育冊子】海外出身の従業員にマンガで従業員規則を教育
【漫画化の目的】
最低限の業務を効率よく理解してもらうために制作しました。
【漫画のターゲット(読者)】
従業員(中国人とネパール人)
【漫画の活用方法】
新人教育の一貫として、研修中に配布。
日本クリーン
ホテル清掃からビル管理まで。「顧客満足度を創造する企業」として、ビル総合管理業を営む。
時代に合わせて従業員の教育方針も変えていく必要がある
時代の流れによって、数年前から海外出身の従業員が増えてきています。特にアジア系の人が多くなった印象です。彼らはビザを取るために半年間の教育を受けて日本に来ますが、短期間の教育で日本文化を学び切ることは難しく、日本で仕事をする際には手こずる場合が多いです。我が社の従業員の教育制度としてはテキストやDVDを使用していますが、日本語版しかありませんでした。そこで海外出身の従業員向けに実施していたことは、完全な紹介制度と、OJT制度の徹底です。実際に働いている従業員から紹介してもらうことで、言語の問題はなくなりますし、紹介者がOJTで関わることによって仕事に対する理解度も深まったと思います。しかしながら、従業員が増えるにつれ「文化の違い」を思い知るようになりました。こちらの常識を彼らとの共通認識とするまでに時間がかかるのであれば、ルール化し教育するのが一番です。それぞれのシチュエーションに合わせ、どういった行動をとって欲しいのか。その最低限の内容をマンガに盛り込みました。それにともない、指導体制も指導側に回るネパール人を正社員採用し、マンガを読ませつつ指導できるようにしました。マンガの台詞も、従業員に確認を取りながら翻訳してもらい、より読みやすいものが出来たと思います。現場の従業員からも「わかりやすい」と好評です。
マンガのいいところはシチュエーションの確認ができること
「こういう事態に備えて、こうしてほしい」と口頭で説明しても、理解してもらうのはなかなか難しいと感じています。だからといって「ケースバイケース」で、なんて教え方をするわけにもいきません。ホテルを例に挙げますと、清掃業務はマニュアルに則り、一つ一つ丁寧にこなしていくことがお客様の満足・信頼につながります。ですが、一つ一つが丁寧であっても、宿泊されるお客様は十人十色ですから、イレギュラーなケースは多々起こります。従業員なりに一生懸命やったのに、何か不測の事態が起きた場合、こちらの常識を押し付けて頭ごなしに叱るのは気が引けます。そこで目を付けたのが、シチュエーションが説明できるマンガでした。従業員のネパール人は学歴に差があったので、極論、文字がなくても理解できるものが欲しいと依頼いたしました。他にも、マンガのメリットは疑似体験ができることと聞いていたので、従業員が同じ気持ちになって、同じ行動をとれるよう、主人公は仕事がわからない新人にしてもらいました。うちと同じ業種の他社さんにも紹介したところ評判が良く、「販売して欲しい」とまで言われたクオリティです。(笑)
企画意図
海外出身の従業員の理解促進を目的に、日本語での謝罪は発音のみを記載する等、細部までこだわりました。
担当:川内沙智