漫画制作にかかる期間は?スケジュールに影響する要素をまとめてご紹介
漫画制作を依頼する際、もっとも重視する要素の1つとして「スケジュール」が挙げられます。実際、トレンド・プロのお客様もスケジュールを気にされてご相談される方が多いです。
この記事では、多くのお客様が気になる「漫画制作にかかる期間」について解説します。もちろん依頼内容によって必要な制作期間は異なりますが、以下の内容を認識していれば大まかなスケジュール感を見積もることができます。「どのくらい期間に余裕をもって依頼すればいいの…?」と悩まれた際の参考にしていただければと思います。
漫画制作期間の目安
まずは、作画期間の目安についてです。大まかではありますが、漫画のページ数ごとに以下のような制作期間が必要となります。
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※漫画制作は基本的にネーム、下絵、仕上げの3工程に分けて進行します。必要に応じてプロット(あらすじ)、シナリオの制作期間が追加される場合もあります。
・1p~4p:各工程4~6営業日
・8p~12p:各工程6~10営業日
・30p:各工程15営業日
こちらを見てわかる通り、制作期間はページ数に単純比例するわけではありません。例えば、ある料理を2人分作る場合、1人分を作る時の倍の時間がかかるわけではないですよね。漫画制作も同様に、制作物のボリュームよりも、下準備の作業量によって全体の作業期間が左右されることが多いです。
また、作業日数は作家の作画スピードや案件内容、絵の描き込み量などによっても変動します。例えば、難しい専門的なシステムを漫画で解説する案件や、資料をもとに背景を細かく描き込む必要がある(機械や工場など)案件などは、通常よりも作業期間が必要なためスケジュールに余裕を持つ必要があります。加えて、作画担当スタッフのスケジュールが確保できるかどうかも考慮しなければなりません。たとえシナリオが完璧に出来ていても、漫画家の予定が埋まっていると、作画を始めるまでにタイムロスが生じてしまいます。
漫画制作のスケジュールに大きく影響する要素
続いて、制作期間の長さを左右する要素についてご紹介します。
1.漫画のチェック期間はどのくらいか?
クライアント様に漫画をチェックしていただく期間は、各工程で中2~3日を想定してスケジュールを組むことが多いです。しかし、実際にはチェック期間が当初の予定よりも伸びてしまうケースも多いです。例えば、いつも忙しくなかなか時間の取れない社長に原稿をチェックしてもらう必要がある場合、この期間は通常より長めに取っておくのが安心です。逆に、急ぎで漫画を制作しなければならない場合、チェック期間を短くしていただくようクライアント様にご協力をお願いして、希望の納期を実現する場合もあります。
2.審査期間はどのくらいか?
扱う商品、サービス内容によっては「審査期間」が必要になる場合がございます。特に審査対象になりやすいものは「薬機法」(旧:薬事法)に関わる要素です。薬機法は薬や化粧品に関わってくる法律のため、美容、健康、医療系の漫画広告を制作する際に注意が必要です。通常の制作スケジュールに追加で1~2週間ほどの審査期間がかかる場合もあります。
3.第2稿は必要か?
「第2稿」とは、クライアント様に原稿をお見せし、ご指摘いただいた箇所を次の工程に進めずに修正した原稿のことです。この第2稿を再度ご確認いただく期間が入ると、その分スケジュールも長くなります。次の項目で詳細について触れますが、この第2稿提出の工程を省略することで、スケジュールを調整することも可能です。
「短納期でお願いできますか?」への回答
「どうしてもこの納期に間に合わせたくて…。短納期でお願いできますか?」
──このようなご依頼を頂くことも多々あります。短納期を実現するには、もちろん通常の制作スケジュールを短縮しなければなりません。では、そのためにどのような手段が考えられるのでしょうか。
1.第2稿を省略
スケジュールを短縮する方法の1つとして、クライアント様から頂いた修正を反映しつつ、次の工程に進むことが挙げられます。これによって、第2稿のチェック期間分を圧縮できるため、制作期間の短縮化に繋げられます。
2.下絵確認を省略or同時並行
下絵から仕上げへと工程を進める段階でも、制作期間圧縮のためにできることがあります。それは、クライアント様の下絵確認を省略する、もしくは下絵確認作業と作家の仕上げ作業を同時並行する方法です。下絵の確認期間中も作家の手を止めずに執筆を進めることによって、スムーズな制作が可能となります。
3.確認期間を圧縮
先ほども触れましたが、クライアント様に原稿をなるべく早くご確認いただくなどのご協力をお願いし、制作スケジュールを短くする場合もあります。
4.時期をずらして納品可能か?
ボリュームのある漫画は、どうしても制作に時間がかかってしまいます。ですが、それが複数話の連載やシリーズもので、時期を各話ずらして公開する場合、短納期を叶えるためのスケジュール調整が可能です。それは、全話まとめて納品するのではなく、各話それぞれ公開日から逆算したスケジュールをもとに制作を進める、という方法です。例えば、32ページの漫画でも、内訳が各話8ページの計4回の連載である場合、8ページずつ納品することで、まとめて32ページ制作するよりも遥かにスケジュールに余裕が生まれます。
このように時期をずらして納品する方法も、スケジュール調整の技の1つです。
5.特急対応費
多くの作家は常に複数の案件を抱えています。ですが、複数ある案件の中でも特に急ぎの案件として優先順位を上げて執筆していただくことで、期間圧縮が可能となる場合もあります。「特急対応費」は、執筆を優先的に進めていただく分、作家の原稿料を上乗せしてお願いするための費用になります。
以上が漫画制作にかかる期間と、それに影響する主な要素です。こちらはトレンド・プロのスケジュール感であり、漫画制作にかかる期間は制作会社によって異なりますので、あくまでも参考程度に留めていただければと思います。良い漫画広告を作るためにも、スケジュールには余裕を持ってご依頼いただくのがオススメです。