【マンガ広告×観光】町おこしに!コンテンツツーリズム成功例
近年、アニメや映画産業、また観光産業などで「聖地巡礼」「コンテンツツーリズム」といったワードを耳にすることが増えました。
アニメ・映画といったコンテンツのゆかりの地を、ファンが自発的に巡ることを聖地巡礼と言いますが、一方でコンテンツツーリズムとはコンテンツを活用して観光誘致活動をすることを指します。
ファンの2次元コンテンツへの愛は深く、そのためファンにコンテンツを通じた観光を楽しんでもらえれば、長年にわたる良い関係を築ける可能性が高まります。しかし、コンテンツに依存した受け身の観光施策では、コアなファンにはなかなか満足してもらえません。聖地巡礼やコンテンツツーリズムを成功させるためには、地域が主体となってさまざまな施策を立案し、実行することが必要です。
それでは、地域が主体となってコンテンツツーリズムを成功に導くためには、どうすればよいでしょうか。本記事では、マンガ・アニメを活かしたコンテンツツーリズムの成功例をご紹介します。
地域主体で進めるコンテンツツーリズム!マンガ広告で周知も?
コンテンツツーリズムの促進要因は、マンガや映画、アニメなど多岐に渡ります。
映画は一過性でカジュアルなファンを魅了しますが、アニメやマンガは放送や掲載が一定期間あるため、コアなファンを獲得する可能性が高いと考えられます。
コアなファンは作品への熱狂度が高く、その舞台となった地域に深い関心を寄せる傾向があります。地域の住民はファンが訪れる際のマナーについて懸念することもあるかもしれませんが、実際にはコアなファンほど良好なマナーを持っていると言われています。
一方で、地域が積極的な施策を打ち出し実行するためには、地域の住民をそのコンテンツのファンとして育てることが肝要です。
そのためには、初めに地域や関係者が作品やファンの気持ちを理解することが不可欠です。そうすることで、地域を訪れるファンの満足度を高め、長期的で良好な関係を築くための施策を展開できるでしょう。
コンテンツツーリズム・キャラクターツーリズムの成功事例〜アニメ・マンガ〜
ここからは、コンテンツツーリズム・・キャラクターツーリズムの成功事例をご紹介します。
■『らき☆すた』|埼玉県鷲宮町
『らき☆すた』は女子高生とその友人の日常を描いた、美水かがみ原作のマンガ、およびそれを原作としたアニメ作品です。
この作品の舞台は、埼玉県鷲宮町(現・春日部市)。主人公はこの町に実在する鷲宮神社をモデルとした「鷹宮神社」に自宅がある(主人公の父親が宮司)という設定になっています。
アニメ放映後間もない2007年12月には商工会主催のイベントが開催され、約3,500人の参加者が集まりました。また、2008年4月に旧鷺宮町は作品の主人公「柊一家」を特別に住民登録。その際、1枚300円で特別住民票をファンに交付しました。
鷲宮町の特筆すべき点は、2007年夏頃に鷲宮神社が『らき☆すた』ファンにとっての聖地となっていることに気づき、ファンへの聞き取り調査を行うなど自発的なアクションを行っていたことです。その結果、ファンがタイアップ企画のアイデアを出してくれるなど地元とファンとの協力関係を早くから築くことができました。
地域がファンの動向・趣向にしっかりとアンテナを張り、積極的にアプローチを行ったことで、地元とファンの長期にわたるよい関係を形成できた好例です。
■『ガールズ&パンツァー』|茨城県大洗町
『ガールズ&パンツァー』はアクタス制作のオリジナルアニメ作品です。茨城県大洗町を舞台に、戦車に乗って模擬戦を行う「戦車道」の全国大会で優勝することを目指して奮闘する女子高生たちを描いています。(作中では「戦車道」が女子の競技として定着している設定)
アニメ放送時から話題となっていたこの作品は、2015年末から公開された劇場版が1年にもわたるロングランを記録し、多くのファンが大洗町を訪れるようになりました。
大洗町はアニメの企画段階から制作会社と連携をすすめ、環境客を受け入れる姿勢を早くから見せていました。そして、地元商店街へのキャラクターパネルの設置やイベント開催など、積極的なプロモーションを展開。さらに2015年末には、ふるさと納税の返礼品に作品の関連グッズを加えたところ、受け入れ額が前年度の26倍に達する結果となりました。
一見すると扱いの難しい「戦車」というコンテンツでも、積極的にプロモーションを行なったことが成功のカギとなりました。伝統を守ることも大切ですが、新しいものを受け入れる姿勢も大切だと気付かされる事例といえるでしょう。
■『花咲くいろは』|石川県金沢市
『花咲くいろは』はP.A.WORKS制作のオリジナルアニメ作品です。物語は、東京から石川県金沢市に身を寄せることになった女子高生が、祖母が女将を務める温泉旅館で働く姿を見せながら展開していきます。
制作会社が「仕事をテーマにした作品」を作ろうと企画し、作品の候補地として金沢の奥座敷と呼ばれる小さな温泉街「湯涌(ゆわく)温泉」が挙げられました。そして2009年10月、湯涌温泉観光協会は「アニメの舞台として起用させてほしい」という協力依頼を受けます。
作品のモデルとなった旅館の代表は、制作会社の担当者から「アニメの舞台になると、多かれ少なかれ聖地巡礼に訪れる人が必ず来ます」と聞いても、“うさんくさい”と思っていたのだそう。しかし、制作会社がこの地域とのコミュニケーションを丁寧に行なった結果、協力体制が構築できました。
作品に登場する架空の祭り「ぼんぼり祭り」は、2011年から実際の湯涌温泉にて開催が実現。現在では秋の風物詩として作品のファンだけでなく、作品を知らない観光客にも親しまれています。
湯涌温泉観光協会は、この作品が「地域のありのままの魅力」を描いた作品だったことから、特別なことはせず心からファンをもてなしたそうです。その結果、祭りをはじめとする地域の魅力にファンが気づき、毎年多くの観光客が訪れる場所となりました。
コンテンツツーリズム成功のカギは「地域の姿勢と根付き」!マンガ広告も活躍します!
コンテンツツーリズムを地域活性化につなげ、成功に導くためには地域の積極的な姿勢が重要です。 地域の姿勢づくりのためにすべきこととして、地域が主体となって地域外のトレンドにもアンテナを張り、作品のファンがどんなことを望んでいるのかを探り出すことが重要です。
また、マンガやアニメ、映画に基づくコンテンツ以外にも、地域のよさを独自のストーリーやその地域に根づいたキャラクターをもって見せることもまた、地域を魅力的に発信する方法の一つです。 ご当地キャラクターを最大限に活用するには、地域への根付きを強めること、そしてキャラクター自身のファン獲得が欠かせません。
そのための手段のひとつとして、マンガ広告活用をおすすめします。観光PRや行政サービスの紹介マンガにキャラクターを登場させることで、新たな可能性が生まれるかもしれません。
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トレンド・プロでは、地方自治体から依頼を受け、観光や教育などさまざまな目的のもとマンガを制作しています。
なかには地域のキャラクターを登場させ、マンガ内の案内役として描いた作品事例もあります。
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